イタウバ材は耐久性と柔らかさがある木材!ウッドデッキにおすすめ
イタウバはクスノキ科の常緑広葉樹であり、ハードウッドの中でも耐久性と柔らかさのバランスがとれた木材です。
最大の特徴は油分が豊富に含まれていること。
肌触りがよく、なめらかな質感を兼ね備えているのでウッドデッキの木材としておすすめです。
下記の疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
- イタウバにはどんな特徴があるのか?
- なぜイタウバはウッドデッキにおすすめなのか?
- イタウバはウッドデッキ以外にどのような用途で使われているのか?
この記事では、イタウバの基礎知識や特徴、産地別の違いについて分かりやすくご紹介します。
ウッドデッキを作りたい方、初めてDIYに挑戦する方は参考にしてくださいね。
INDEX
オールマイティーなハードウッド「イタウバ」の基礎知識
まずは、イタウバの基礎知識をご紹介します。
日本ではまだ知名度の低い木材といわれているので、下記で理解を深めてください。
イタウバの概要
イタウバは、南米ブラジル原産でクスノキ科の常緑広葉樹です。「ブラジルのチーク」と呼ばれるほどの良材であり、ヨーロッパでは高級デッキ材として人気があります。
イタウバの最大の特徴は、ハードウッドの中でも油分を多く含んでいること。
木材は、「芯部分と表面が硬い」か「芯部分と表面が柔らかい」に分かれます。
しかし、イタウバは豊富な油分により、芯部分が強く表面が柔らかい性質を持っています。この性質はハードウッドの中では珍しく、オールマイティーな性能をもつ木材なのです。
見た目は、濃い茶褐色で斑点模様が特徴です。濃淡の違いは高級感を生み出し、美しい木目や自然な風合いが人気の秘密だといえるでしょう。
イタウバの斑点模様は油分が含まれている証拠
イタウバには、3~4mmのピンホール状や筋状の斑点が複数あります。実は、この斑点模様こそが油成分の泉であり、質の良いイタウバの証拠です。
斑点模様は数年前まで欠点だといわれていて、日本市場で受け入れにくい傾向がありました。それが日本で知名度が低い理由でもあります。
しかし、斑点は経年変化で自然に目立たなくなり、最終的にはシルバーグレーの色合いに落ち着きます。
目立つのは最初の数ヶ月だけであり、時間が経てば気になりません。
斑点模様は油を多く含んでいる目印であると心得ておきましょう。
ナチュラル&実用的!イタウバの6つの魅力
上記でもご紹介したように、イタウバの最大の特徴は豊富な油分です。
ここからは、イタウバの油分がどのような魅力を引き出しているのかをご紹介します。イタウバのメリットでもあるので参考にしてください。
1. 素足で楽しめる
イタウバの油分は、木肌のなめらかさや柔らかさを生み出します。
一般的なハードウッドは硬度があるため、ササクレは鋭利で硬く、素足で歩くには危険な状態です。
しかし、イタウバは天然木特有のザラつきが少なく、ササクレはふやけてしっとりとした質感。素足であるきやすく、足裏に木肌のあたたかみを感じられます。
2. 耐久性が高い
イタウバは、水中の中で40年以上、腐食は30年前後の耐久性を誇ります。
高耐久に大きく関係している要素は、「油分の多さ」「シロアリを寄せ付けない樹木の成分」です。
ブラジルではイタウバの耐久性を活かして、古くから船や橋の材料、電柱として使用されてきました。
そのため、イタウバの油分は水の浸透を防ぐ働きや弾力性に優れて折れにくい性質はお墨付き。
さらにイタウバは、シロアリや害虫などを寄せ付けない成分も含まれているため腐食を防ぐ働きもあります。
湿気がこもってシロアリが発生しやすい下地部分や支柱材には、最適な木材です。
3. 加工がしやすい
イタウバは、ハードウッドの中では比較的柔らかなうえに比重が軽く、加工しやすい点が特徴です。
上記でご紹介した耐久性の良さを考えると、硬くて扱いづらい木材をイメージされるでしょう。
しかし、油分が多いことで反りやササクレも少ないため、カットやビス留めなどの加工が容易にできます。
DIY初心者の方でも挑戦しやすい木材であり、シンプルな構造のウッドデッキのデッキ材にも適しているのです。
4. 経年変化が楽しめる
イタウバは色と艶の変化が楽しめます。
加工時はオリーブ色であり、空気と紫外線に触れることで濃い茶褐色に変化するイタウバ。
1ヶ月経てば、メンテナンスなしでもコーヒー豆のような色や艶が楽しめて、美しい木目が見られます。
シミや斑点模様は製材後に比べると薄くなり、あまり気にならないレベルです。
さらに3ヶ月後は、表面の色合いが白っぽく変化し、最終的には味わい深いシルバーグレーに変化します。
また、木肌の柔らかさや艶は製材時に比べるとより一層増します。
通常、ハードウッドは使い続けるとササクレが目立つのが特徴です。
しかし、イタウバを使用するにつれてツルツルとした質感に変わります。
天然木ならではの経年変化を十分楽しめる木材です。
5. 価格が比較的安価である
イタウバは、ウリンやイペなどに匹敵する耐久性を兼ね備えながら、価格が比較的安価です。
ウッドショックの影響や円安により、メジャーなハードウッドは輸入価格の高騰や供給量の減少が予想されています。そのため、ハードウッドの購入価格が高騰する可能性があるのです。
一方、イタウバも例外ではありませんが、メジャーなハードウッドよりも知名度が劣るため、価格は比較的安価だといえます。
現時点では、イタウバはウリンに比べて10~20%安い傾向があるため、コストパフォーマンスに優れている木材だといえるでしょう。
6. メンテナンスの手間がかからない
イタウバは油分を多く含んでいるため、使用する環境次第では油分補給をする必要はありません。
通常、ウッドデッキで使用する木材は、ササクレや割れを防止するために4~5年の頻度で塗り直しが必要です。
しかし、使用環境によっては、イタウバはメンテナンスなしで約30年以上長持ちします。
例えば、海岸沿いでの使用は乾燥しやすいため油分が奪われることもあるでしょう。
そのような場合は、ササクレや割れの箇所をやすりで整えるだけでイタウバの魅力を取り戻せます。
イタウバ材の基本スペックを他の木材と比較
イタウバ材についてご説明してきましたが、ここで他の木材とイタウバ材の性能の比較表をみてみましょう。
樹種 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
イタウバ | スギ | ヒノキ | ウリン | セランガンバツ | ||
基本情報 | 名称 | イタウバ、 タブボア、 イタバイバ、 イタウーバ、 ガスカハ、 トロピカル・ウォールナット |
杉、椙 | 檜、桧 | ウリン、 ジャイアントウッド、 マレーシアンアイアンウッド、 ビリオンウッド、 ブリネイラ |
セランガンバツ、 イエローバラウ、 バンキライ |
分類 | クスノキ科 | スギ科 スギ属 |
ヒノキ科 ヒノキ属 |
クスノキ科 | フタバガキ科 | |
分布 | 中南米 | 本州、 九州、 四国、 北海道函館が北限 |
福島県以南の本州、 四国、 九州 |
インドネシア、 マレーシア |
インドネシア、 マレーシア |
|
心材の色 | 深い黄色、 茶色、 橙色 |
赤褐色 | 淡紅色 | 黄褐色 | 黄色い褐色、 黄色い赤褐色 |
|
辺材の色 | 明るい黄色、 明るい茶色 |
白色 | 白色 | 薄黄色 | 薄い褐色、薄い赤褐色 | |
物理的性質 | 気乾比重 | 0.85 | 0.38 | 0.44 | 1.04 | 0.94 |
平均収縮率 接線 | 0.33% | 0.25% | 0.23% | 0.44% | 0.20% | |
平均収縮率 放射 | 0.54% | 0.10% | 0.12% | 0.24% | 0.43% | |
熱伝導率(W/mK) | 0.13 | 0.087 | 0.095 | 0.12 | 0.13 | |
機械的性質 | 曲げヤング係数 | 13GPa | 7.4GPa | 8.8GPa | 10GPa | 14.2GPa |
曲げ強さ | 110MPa | 64MPa | 74MPa | 100MPa | 125MPa | |
圧縮強さ | 50MPa | 34MPa | 39MPa | 60MPa | 77MPa | |
せん断強さ | 12MPa | 5.9MPa | 7.4MPa | 12MPa | 12.8MPa |
ハードウッドに分類されるイタウバ材は、特に機械的性質に優れた特徴があることがわかります。
それでは、同じイタウバ材でも産地による差はあるのでしょうか?
イタウバ材の産地別の特徴
イタウバ材の主要な産地はブラジルの「マットグロッソ州」と「パラー州」です。
結論から言うと、産地の違いは品質に大きな影響があるとは言い切れません。品質は、現地の選別と製造方法、品質管理に左右されるからです。
木材は同じ産地でも、日当たりや風当たり、斜面の角度や標高で変わる天然物です。それらを考慮した上で産地別の特徴を下記にまとめたので参考にしてください。
マットグロッソ州産 | パラー州産 | |
斑点模様 | 少ない | 多い |
油分 | 少ない | 多い |
比重 | 軽い | マットグロッソ州産よりも約10%高い |
【マットグロッソ州産がおすすめである人】
- 最初から見た目にこだわりたい
- 重い木材を扱うことに不安がある
【パラー州産がおすすめである人】
- 油分の多さを重視したい
- 多少重くても扱える
イタウバはウッドデッキだけじゃない!使われている場所も多様
イタウバは「安全面」「見た目」を重視するならおすすめの木材です。ここからは、ウッドデッキ以外の施工の一例をご紹介します。
- 小学校や幼稚園のプールサイド
- 住宅の目隠しフェンスやパーゴラ
- グランピングのテーブルやベンチ
- パン屋などのショーケース枠
イタウバは、「素足になる場所」「水に強く耐久性が求められる場所」「木材のあたたかみを感じられる場所」で使われる傾向があります。
時間が経過しても木肌がなめらかで美しく、劣化しにくい信頼性があるからだといえるでしょう。
イタウバの購入やご相談は「mock re:」にご相談ください!
イタウバがデッキ材に人気の理由は、「水やシロアリに強い耐久性」「肌触りがなめらかな柔らかい木材」です。
デッキ材をイタウバにすれば、安全で木のぬくもりを感じながら安心して過ごせます。
「mock re:(モックリー)」では、イタウバ材を通販で販売しています。サイズや色の風合いを豊富に揃えていることから用途に合わせてお選びいただけますよ。
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