スギ材の特徴やメリットとは?ヒノキ材との違いもあわせて解説

コラム

スギ材の特徴やメリットとは?ヒノキ材との違いもあわせて解説

スギ材は国産の木材として知られています。その歴史は古く、およそ700年前から使われてきました。
建築に携わる職人はもちろん、家庭でDIYを楽しむ人でも扱いやすいのが特徴です。木材のなかでは手ごろな価格で入手できるため、費用を抑えたい場合におすすめですね。
その用途は幅広く、建材や内装材の他、家具や伝統工芸品の材料になっています。

  • スギ材とヒノキ材の違いとは?
  • どんな性質があるのか?
  • スギ材のメリット・デメリットは?

上記のような疑問を持っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事では、スギ材の基礎知識についてわかりやすく解説します。最後まで読めば、スギ材の特性や注意点を理解できるでしょう。

スギ材の特徴は加工しやすく軽い!ヒノキとの違いを解説

スギ材の特徴は加工しやすく軽い!ヒノキとの違いを解説

まずはスギ材の特徴を紹介します。
比較対象としてしばしば登場するヒノキとの違いや、スギ材の性質などを理解しましょう。

スギ材の概要

スギはスギ科スギ目の常緑針葉樹です。日本各地に古くから群生する固有種で、室町時代から人工的に植えられてきた歴史があります。
もちろん天然のスギも自生しており、本州から九州にかけて広く分布しています。
有名なところだと、屋久杉や吉野杉などでしょう。
一般的には比較的安価な部類に入りますが、なかには高級なスギ材も存在します。

主な性状

スギの語源は「直木(すくき)」とされ、まっすぐ伸びる性質があります。したがって木目が美しい直線になるのです。
加工しやすいうえに軽く、女性や子どもでも扱いやすいのがメリットですね。さらに断熱性や調湿性に優れており、保温効果・保湿効果を持ち合わせている万能な木材といえるでしょう。
つまり湿度が高いと湿気を取り込み、空気が乾いているときには湿度を放出するという仕組み。そのおかげで、夏は涼しく冬は暖かく過ごしやすい家になるのです。

スギとヒノキの違い

スギとヒノキは日本の家屋に欠かせない材木です。しかし木材に詳しくない人だと、違いがよくわからないかもしれません。
ここではヒノキとスギの相違点をまとめました。

【ヒノキ】

  • 特有の香りがあり、リラックス効果がある
  • 芳香剤や入浴剤としても使われる

【スギ】

  • 木材の香りはそれほど強くない
  • ヒノキよりややキメが粗いものの、大差はない
ヒノキ材は経年変化も魅力!長年使用しても色褪せない美しさ

日本の国土の70%くらいは森林が占めており、そのうちの70%近くがスギとヒノキです。戦後に植林された幼木が成長し、2022年時点で使用適齢期に差しかかりました。
ちなみにどちらもアレルギーの原因物質として知られていますが、木材自体には花粉は付着していません。

杉積層材について

「杉積層材」とは、3㎝程度の杉の角材を寄せ集めて接着剤で固めた木材を指します。
繊維の方向を一定にそろえ、さまざまな厚さ・幅・長さの材料に加工した材料と考えてください。
なぜ人工的に木材を作るかというと、長さや強度の融通が利くからです。
天然の木材では材質を均一にそろえにくいですが、杉積層材なら木目や大きさを整えられます。その他にも、単価計算のしやすさや環境への配慮といった理由も関係しています。

天然木とどっちが良い?人工木を使ったウッドデッキ

杉化粧貼りについて

「杉化粧貼り」も、杉積層材と同じく人の手で作られた木材です。芯材となる板に天然の杉の薄板を貼り付けたもので、突板貼り・単板貼りとも呼ばれています。
いわば金メッキの木材版と捉えればわかりやすいでしょう。表面だけに本物のスギ材が貼られているため、傷がつくと下地の板が見えてしまうというデメリットがあります。
とはいえ無垢材を使用するよりも安上がりなので、費用を抑えたい人向きですね。なおかつ木の反りやひび割れなども少ないため、見栄えの良さを重視する場合に使うとよいでしょう。

スギ材を使用するメリット・デメリット

スギ材を使用するメリット・デメリット

続いては、スギ材のメリットとデメリットについて解説します。

メリット

スギ材の良いところは3つあります。

1.手に入れやすい

一部の地域を除き、スギは日本各地で植林されている樹木です。供給源となる山林が多いため、市場に出回る量は他の木材と比べて多いといえるでしょう。
つまり安い価格で市場に出回るのです。ただし全てのスギ材が安価とは限りません。
なかには吉野杉のように高級なものもありますのでご注意ください。

2.軽くて加工しやすい

スギ材の最大のメリットは、その軽さと加工のしやすさです。力の弱い女性や子どもでも持ち運びしやすく、DIY初心者に向いています。 真っ直ぐな木目ゆえにクセが少なく、加工する際に見栄えが良くなるのも支持される理由の1つですね。

3.強度と耐久性に優れている

木材と一口にまとめても、固いか・柔らかいかの違いがあります。
その固さの指標となるのが「ヤング係数」で、スギ材は柔らかくたわみやすいのです。
ここでいう「柔らかい」とは、あくまで木材同士を比較した結果と考えるのが妥当でしょう。
家屋の土台として使うには十分な強度を備えており、耐久性の面でも問題ありません。

デメリット

もちろん良い部分だけではありません。3つのデメリットも存在します。

1.表面に傷がつきやすい

メリットの部分でも説明したように、スギ材は柔らかい木材に含まれます。
そのため柱や床に固い物をぶつけたり落としたりすると、へこんで傷がつくかもしれません。
小さなお子さまがいるご家庭では、無傷の状態に保つのは難しいでしょう。
傷やへこみも味のうちと思えば問題ありませんが、細かいところが気になる人には丈夫な木材をおすすめします。

2.隙間が生じやすい

スギ材は調湿性に長けているため、湿度が高いと水気を内側に取り込んで膨張する性質があります。
その点を考慮しないと、木材が縮む可能性が高いですね。つまり完成した時点では隙間がなくても、空気が乾くと湿度を放出して歪みやひずみが生じるかもしれません。
スギ材で家を建てる予定の人は、梅雨の時期を避けるのが無難でしょう。

3.木材でアレルギーを引き起こす可能性がある

スギの花粉に悩まされる人は多いですが、木材でもアレルギーを引き起こす可能性が想定されます。
確率としては低いものの、ないとも言い切れません。気になる人は、病院でアレルギーの抗原検査を受けると安心ですね。

スギ材が活躍する場面は多い!建材以外にも家具や食器に

スギ材が活躍する場面は多い!建材以外にも家具や食器に

最後に、スギ材の主な使いどころを紹介します。

建材

建材は建物の骨格となる材料であり、目に見えないところで建築物を支えています。家全体を支える重要な部分であり、工事の初期段階でしか見られません。
たとえば柱や梁などを想像すると理解しやすいですね。
最近では、おしゃれなウッドデッキなどに使われることも増えています。

古来より建材に使われる建材「杉」はウッドデッキでも人気

内装材

建物の目に見える部分に使われる木材で、天井や床板などが該当します。人の手が触れる場所にスギ材を使うと、木の温もりがよくわかるでしょう。
床暖房とは相性が悪いため、スギ自体の暖かみを生かしましょう。

家具

椅子やテーブルなどの家具は使用頻度が高いため、スギ材の魅力を実感できます。一枚板の食卓や飲食店のカウンターなどで目にする機会があるかもしれません。
使い込むほどに表面が酸化して木目や年輪が濃くなり、アンティークのような色合いになるのではないでしょうか。

割り箸

木材の余った部分は、割り箸の材料として活用されています。木目が真っ直ぐで縦に割れやすい特性を最大限に活用した利用法ですね。
コンビニやスーパーのお弁当を買う機会があれば、その材質に注目してください。

お客様の用途に応じたスギ材をお届けします

お客様の用途に応じたスギ材をお届けします

これからスギ材を買い求める予定があれば、ぜひ「mock re:(モックリー)」にご相談ください。用途に応じてお好みの木材を探してみてはいかがでしょうか。
防腐加工なしの素材から防腐加工・塗装ありの商品まで、幅広いラインナップを展開しています。

スギ材の基本スペック

古くから世界中で建材などに利用されてきたスギは、優れた性質を多く持ち合わせています。

樹種
スギ ヒノキ イタウバ ウリン セランガンバツ
基本情報 名称 杉、椙 檜、桧 イタウバ、
タブボア、
イタバイバ、
イタウーバ、
ガスカハ、
トロピカル・ウォールナット
ウリン、
ジャイアントウッド、
マレーシアンアイアンウッド、
ビリオンウッド、
ブリネイラ
セランガンバツ、
イエローバラウ、
バンキライ
分類 スギ科
スギ属
ヒノキ科
ヒノキ属
クスノキ科 クスノキ科 フタバガキ科
分布 本州、
九州、
四国、
北海道函館が北限
福島県以南の本州、
四国、
九州
中南米 インドネシア、
マレーシア
インドネシア、
マレーシア
心材の色 赤褐色 淡紅色 深い黄色、
茶色、
橙色
黄褐色 黄色い褐色、
黄色い赤褐色
辺材の色 白色 白色 明るい黄色、
明るい茶色
薄黄色 薄い褐色、
薄い赤褐色
物理的性質 気乾比重 0.38 0.44 0.85 1.04 0.94
平均収縮率 接線 0.25% 0.23% 0.33% 0.44% 0.20%
平均収縮率 放射 0.10% 0.12% 0.54% 0.24% 0.43%
熱伝導率(W/mK) 0.087 0.095 0.13 0.12 0.13
機械的性質 曲げヤング係数 7.4GPa 8.8GPa 13GPa 10GPa 14.2GPa
曲げ強さ 64MPa 74MPa 110MPa 100MPa 125MPa
圧縮強さ 34MPa 39MPa 50MPa 60MPa 77MPa
せん断強さ 5.9MPa 7.4MPa 12MPa 12MPa 12.8MPa

鋸挽加工性、鉋掛加工性、乾燥加工性はどれもともに容易で、強い腐食耐久性があり、糊付接着性も良好なため、建材をはじめ家具や食器など広い範囲で利用されています。

スギ材 素材(防腐加工なし)

スギ材 素材(防腐加工なし)

価格も安価で加工性にも優れているので扱いやすい素材(防腐加工なし)サイズのバリエーションです。

長さ:
2000mm
3000mm
4000mm

断面サイズ:
18mm ✕ 89mm
18mm ✕ 140mm
18mm ✕ 184mm
38mm ✕ 89mm
38mm ✕ 140mm
38mm ✕ 184mm
38mm ✕ 235mm
90mm ✕ 90mm
120mm ✕ 120mm

「スギ材 素材(防腐加工なし)」の商品一覧はこちらからご覧ください。

スギ材 タナリスCY防腐加工

スギ材 タナリスCY防腐加工

タナリスCYのサイズのバリエーションです。
タナリスCY防腐処理後は緑色に着色されます。


長さ:
2000mm
3000mm
4000mm

断面サイズ:
18mm ✕ 89mm
18mm ✕ 140mm (受注生産品)
18mm ✕ 184mm (受注生産品)
38mm ✕ 89mm
38mm ✕ 140mm
38mm ✕ 184mm (受注生産品)
38mm ✕ 235mm (受注生産品)
90mm ✕ 90mm
120mm ✕ 120mm (受注生産品)

「スギ材 タナリスCY防腐加工」の商品一覧はこちらからご覧ください。

スギ材 モクボーAAC防腐加工

スギ材 モクボーAAC防腐加工

モクボーAAC防腐加工のサイズバリエーションです。
モクボーAAC防腐処理後は透明色に仕上がりますので、景観性を求められるところにおすすめです。

長さ:
2000mm
3000mm
4000mm

断面サイズ:
18mm ✕ 89mm
18mm ✕ 140mm
18mm ✕ 184mm
38mm ✕ 89mm
38mm ✕ 140mm
38mm ✕ 184mm
38mm ✕ 235mm
90mm ✕ 90mm
120mm ✕ 120mm

「スギ材 モクボーAAC防腐加工」の商品一覧はこちらからご覧ください。

スギ材 防腐加工+塗装

スギ材 防腐加工+塗装

防腐処理を施して耐久性を向上させた杉材にプラスして塗装した木材ののサイズバリエーションです。
13色の豊富なカラーから好みのイメージに合わせてご選択いただけます。

長さ:
2000mm
3000mm
4000mm

断面サイズ:
18mm ✕ 89mm
18mm ✕ 140mm
18mm ✕ 184mm
38mm ✕ 89mm
38mm ✕ 140mm
38mm ✕ 184mm
38mm ✕ 235mm
90mm ✕ 90mm
120mm ✕ 120mm

カラー

カラー

  1. 塗装なし
  2. ナチュラルブラウン
  3. グレー
  4. ダークブラウン
  5. ミディアムブラウン
  6. ライトオーク
  7. レッドオーク
  8. ウォルナット
  9. アイアンレッド
  10. ホワイト
  11. ブラック
  12. グリーン
  13. ブルー
  14. イエロー

「スギ材 防腐加工+塗装」の商品一覧はこちらからご覧ください。

スギ材 エステル化木材

スギ材 エステル化木材

当社が100年に渡り培ってきた木材保存技術と、新しい技術である木材の「エステル化改質加工」を融合させ、木材の反り・曲がり・割れの軽減だけでなく防腐防蟻にもすぐれた木材です。

和錬/われん (エステル化木材)
長さ:
3000mm

断面サイズ:
15mm ✕ 105mm
30mm ✕ 60mm
30mm ✕ 120mm

「スギ材 和錬/われん (エステル化木材)」の商品一覧はこちらからご覧ください。

【スギ材の商品一覧】

DIY初心者でも簡単に扱えるアイテムがそろっており、これから挑戦したい人に最適ですよ。
防腐木材や板材、木材に関することなら何でもお気軽にお問い合わせください!

【フォームでのお問い合わせ】

【お電話でのお問い合わせ】052-661-2311 (電話受付時間:月曜~金曜 9:00-17:00)
【Emailでのお問い合わせ】info@mock-re.jp